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修験の道物語

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古来より、日本には、古来山岳を神霊、特に農耕を守る神が宿る聖地として崇拝する信仰が存在していました。また、霊地とされた山岳で修行した者が、治病・除災などの超自然的な力を持つと畏怖されてきました。「修験道」の開祖とされる、7~8世紀に奈良を中心に活動した「役行者」は、不思議な力を駆使して空や野山を巡り、鬼神を自在に操ったという伝説が残ります。

日本という国は、これまで様々な文化や宗教を受け入れてきました。生まれたときは神社にお参りし、教会で結婚式をして、先祖供養でお寺を参る日本人もたくさんいます。他を排斥せずにすべてを受け入れて、最良の方向性を見出していくという精神文化を、日本人は受け継いできたのです。こうした文化的素地があって、日本古来の山岳信仰に、インドの宗教である仏教、中国の宗教である道教など外来の宗教に、神道などが結びついた宗教「修験道」が生まれたといわれています。

sidebar map kakudai室生(むろう)赤目(あかめ)青山(あおやま)国定公園に存在する山や渓谷では、多くの修験者(山伏)や伊賀流忍者が修行したと伝わり、山岳信仰ゆかりの地も数多く残ります。三重県と奈良県にまたがる約263k㎡の公園内には、室生火山群が広がっており、太古の火山活動によって創り出した急峻な岩壁や渓谷は、かつて容易に人の踏み入ることを許さない天険の地でもありました。その圧倒的な自然の力を目の当たりにすれば、古から人々がこの地を崇め敬意を表してきた理由がきっと分かることでしょう。また、古都奈良より伊勢に至る交通の要所にあることから、多様な歴史文化が育まれ、悠久の時に心身が包まれるかのような寺院や神社も数多く存在します。

こうした場をつなぐように整備された東海自然歩道をはじめ、神秘とやすらぎに満ちた「修験の道」を一歩一歩進めば、いつしか自然と一体となって自分と向き合える静寂な時間が訪れ、心身ともに清々しい気持ちへと導いてくれることでしょう。歩いた後は、室生火山群に湧き出る極上の温泉、名水に育まれた豊かな食があなたをお待ちしております。